ヘルシンキにて

皆さ~ん。とお声掛けします。この歳になり初めて社内ブログを公開してみて思案すること沢山です。

最近ちょくちょく「ブログいつも読んでますよ」と社外の人に言われます。するとご当人に対して恥ずかしさと奇妙な嬉しさを伴う微妙な親近感が湧いて来るのです。逆にその結果このところ1ヶ月ほどペンが動かなくなってしまいました。

正確な情報を敢えて書き換えるのと、間違った情報を書き連ねる事は全く別物。となると自分の経験してない事はしっかり取材して裏付けを取らないといけません。それに人様に読んで頂くとなるとヤッパリ文章力です。暑い暑いといっても既に9月に入った夜更け、何の気はなしにiPadで青空文庫から大正昭和の小説をめくるうちに岡本かの子の短編小説「老妓抄」にたどり着きました。とにかく上手いのです。読者をグッと作中に引き込み、読後各自各様の人生にそんな「老妓」がチラリと姿を見せます。

中洲の場合は「中洲若子の話」で母親若子が駆け抜けた昭和を記す積りです。じゃあ若子とはどんな女だったのか。昭和とはどんな時代だったのか。彼女の何を残したらいいのかを「老妓抄」から思い起こすうちにこれも描けなくなってしまいました。

それに岡本かの子の語彙の豊富さと文章の艶。文豪だから当然といえば当然だが中洲の下手なブログに1分でも貴重な時間を浪費させられた読者は堪りません。それでも世間に恥をさらしながら老婆(ラオポ)に毒づかれながら「美味い話」を一つ遺してみたいもの、そんな気持ちで「岡本かの子」にも「菊池寛」にもしばらく痺れておりました。

実は中洲に唯一自信がある主題と言えば「夢追う老人の他愛ない発明発見の話」です。これだとブログとしては無難ですね。しかしこれだって過去の発明ならある程度正確な時系列の中で記述しないとまずい事になります。

それもあってこの9月23日から30日までの欧州出張中にフランス人エリックをミュンヘンに呼び出し彼の側から化学発光物語を吐いてもらいました。場所はオクトバーフェスタの大喧騒のテントの中。英語フランス語日本語のちゃんぽんをアイフォンに録音しました。酔って宿でメモに抜き出し時間軸に整理すると言う涙ぐましい努力です。

皆さん、作家という人たちは大変な努力家なんですね。それって読者に読ませる為もあるけど実は自分が読んで面白くて仕方ないからじゃないかと思います。  中洲士郎も少しだけ作家気分でブログのための取材旅行を楽しんで感じた次第です。

オクトバーフェスタ2018

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