アイパオの話(その61)

こんなもの作れば便利だろう、人様に喜ばれるだろう。アイパオの開発の始まりもそうでした。ところが家というのは一つでも欠陥があれば早速買主に文句言われ直ぐに出かけて修理です。だから家なんかに手を出すんじゃないと自分を戒めておりました。しかし家という商品の開発にどうしても心が騒ぐのです。

ひ孫に自慢する新製品

(その6)アイパオ砂場

犬猫の糞尿に汚されず幼児たちが炎天下でも雨でも雪降りでも年中砂をいじくりながら空想出来る砂場が欲しい。それをかなえるのが「アイパオ砂場」です。

しかし新製品のアイデアには必ず横槍が入ります。「知らないの?今時の幼稚園の砂場はねえ・・・だからアイパオ砂場なんて売れないよ」と。

最近になってアイパオが一人の経営者の目に留まりました。社業の3D映像をグランパオの内壁に投影すると言うのです。ヤングナカムラの企画書を見て「士郎さんこれは売れるよ」と仰ってくれます。中洲が20年以上尊敬するその経営者が今度は社内保育園施設を案内してくれました。社内ベーカリー、社内コンビニの他に立派な保育園まで社内に設置されるとは。

彼の経営手腕は到底中洲の及ぶところではありません。それに鶴瓶そっくりの風貌と軽妙な語り口、と言えば博多商人なら直ぐに思い起こされるでしょう。そうです。G社のM会長ですよ。

案内された保育所の外庭にシートでしっかりカバーされた砂場がありました。この炎天下、砂場で幼児たちを遊ばせる園長や父兄はいませんね。機を見るに敏の中洲これを逃さず世界初の「アイパオ砂場」の売り込みに成功しました。

そこに「空調完備のアイパオ砂場」が完成し今日がその落成式でした。「会長!定価40万円。ビタ一文値引きしませんよ」との中洲の宣告に「実際には材料費だけで100万は下るまい。それに砂代や延10名以上の作業経費。これは皆さんの昼飯代よ」と墨で書かれた祝儀袋を手渡されました。ご祝儀だけは勘弁願いましたが昔気質の経営者はさすがに作法が違いますね。それで「会長!キャンパオ砂場を一万棟売ったらご祝儀必ず頂きます」と格好つけました。

園児たちに新しい砂場を紹介する園長先生
砂を確かめる園児たち。壁掛けクーラーで快適空間。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください