アイパオの話(その21)

中洲若子の話に付き合って頂いて有り難う御座いました。お陰様で若子の話をこの世に残せました。しかし作家の真似事は本当に疲れるものです。

司馬遼太郎さんなんか締め切りに追われて大層命を削られたことと改めて尊敬の念を深めた次第です。しかし皆様、私も初めて故人の話を書いてみますとこれが結構面白いんです。少々嘘書いても、悪口言っても残念ながら相手は化けて出てはくれません。

さて商品開発は小説と違ってごまかしがききません。しかし小説と同じく売らんがためにもっともらしい嘘もつきます。我々の新製品なんて所詮は巷の情報の組み合わせですから中洲の話と商品開発は同根なのでしょう。

相変わらず毎日商品開発に明け暮れておりますがなかなかヒットしません。バンバンライトなんかやっとリリースしても全然注文が取れません。大閃光エイトも然り。そこそこ良いものではお客の食いは起きませんね。相変わらず大閃光オレンジの爆買いなどにすがって生計を立てております。

さてそんな釜暮れ人生もどきの毎日にPVCの押出しチューブがやって来たのです。これを見たオーノ以下の面々カーッと熱くなってこれに食らい付きました。これからフィッシングショー大阪2019までの50日間「革新アイパオ開発」に挑戦です。

 

来年1月中に完成しなきゃ

第一棟はドーム水槽でマスが泳ぎ回ってその上にレタスが茂る

第二棟は11名のお客が一蘭ラーメンのようなアイパオの椅子に座ってカップラーメンを食べる

第三棟は新製品展示館。11名の若者が自慢の新製品をお客様にプレゼンします。

共同開発

ブログに書き出して新たに見えてくることがあります。(今日の題目は面白くないかも知れません)

今日大手化学品会社の開発マンが来社してくれました。開発をコラボしようというわけです。先方エリート社員1人に対し、野武士山賊の類の我が開発マン10名が対応しました。税引き1000億円の利益を上げる会社と1億円の我が社との違いが随所に際立ちます。

若者が社会に出て最初に勤める会社は、ひな鳥にとっての親鳥と同じで直ぐにそこに同化します。10年も経つと会社ごとに明らかに別種の人間に育っております。

会議の進行を眺めていて感じたモノが、今ブログ進行中の中洲の脳裏に沸々と湧き出すようです。

我が社にとっての商品開発は直ぐに晩飯代にならんといかんのです。だから先ず売れるかどうか?金を使わずにどうやればいいか?が商品開発の基本にあります。しかしエリート会社の社員は違う。まあオットリしてますな。これを幸せと言えるかどうか。一方で開発の成否は不公平なことに運が90%かも知れない。だからこの高貴な開発マンが可哀想なウチの貧乏開発マンとコラボした事で、新開発をゲットして彼の大会社で表彰を受けるかもしれん。これも開発の面白いところでしょう。

他人同士ですから、トラブルが出ないように事前に機密保持契約など面倒な手続きを踏むのが普通。そうなるとコラボなんか程遠いものになり、老い先短い中洲には到底耐えられるものじゃない。

失うものより得るものが多いと期待して腹を割った方が話が早い。一般に相手のものを盗む場合は隠れてやるもんだ。話し合ったら盗めるもんか。そして開発マン同士は相手の発案を大切にして信義を守り合う人種だと信じなきゃいかん。

開発のネタなんか腐る程あるし、土台その中でヒットするものなんかいくつもないんだ。良くても悪くても早く結果を出すに限るよ。

2時間の協議で光ったのは
「ウチのこの営業品目をオタクの技術を加味して何か面白い変化を出して欲しい」
「ウチの開発中のこの案件でここが困っている。解決を手伝って欲しい」
こういうフランクな応答ができた事だろう。

この後ヤマテチーム3人が会議室に残って開発会議をやった。新商品発想法の具体的な例題に「光るボール」も出した。中洲の開発手法「押してダメなら引いてみな」でイケメンタカデが光るボールのトリックに正解に近い答を出した。このチームはルミカ流商品開発の伝統を受け継ぎそうだ。

画期的な新製品が必ずしも世にスタンディングオベーションで迎えられる訳じゃない。大閃光ペイントに至っては「鼻白む」キワモノと取られる心配が日増しにつのる。

大閃光エイト、バンバンライト、Bi水族館が完成、それに光るボールも目処が立った。次は早いところ光る文字シートの仕様を完成させてルミカショップでテスト販売を始めよう。

しかしここで世人を眩目(げんもく)させるに足る新製品といえば松食い虫駆除だろう。日本の白浜に緑の松林を取り戻さなきゃいかん。そこでチーム会議では松の樹液に二酸化塩素を溶解させて憎っくき線虫駆除のシステム完成を直近のターゲットにあげることにしました。

セオリー

大連勤務2日目。宿題を済まさなきゃ。

昨日は大閃光エイトの長時間発光化とバンバンライト2種の仕様決定、今日は粉末アンプルの仕様再検討と複合シートの製造ラインを検討した。

ガラスアンプル製造に不可欠なガラスチューブの延伸機の自動化も進めなきゃいかん。

日本中に沢山の山がある。今年登る山を選択する。次にその山の登山ルートを全て洗い出す。費用、時間、途中での余禄の有無などを考慮してマッピングする。商品と技術開発も同じだと思う。開発課題がクリア出来ない理由の一つは山登りでルートの見落としかそもそもルートを探していなかったのが多い。そして出来ないと決めつける。

この2日間問題解決に当たりながら閃くものがあった。どんな問題でも解決にはセオリーを踏めば容易じゃないか。同じく商品開発でもセオリーがあってそれを習得しなきゃいけないのじゃないか。次回具体的商品開発でセオリーを踏襲してみようと思う。

市販のボールを光らせる

今日はアリちゃんと遊びの開発をやった。

バンバンライトでは若手に挑戦してもらい見本市で大きな評価を得た。
しかし中洲裁量で商品化では✖を付け
大閃光エイトとガゼットバンバン棒を組み合わせることにした。
発想から企画まで3ヶ月要した。チト長すぎた。

UFOボールの大ヒットの後、光るボールではヒットが出ず
開発チームはボールトラウマになっている。

今日はアリちゃんと遊びで取り組むことにした。
先ず新製品には新しさと同時に
他所に容易に真似できない技術の必然性が欲しい。

PVCボールにゲル発光液を注入すれば
長時間凄い輝きを発することが分かった。
直ぐにナイトプールに興じる娘さん達の
艶めかしい姿を妄想する。

簡単な方法として
例えば小さなマヨネーズ容器みたいなもので
ボールに発光液を注入出来れば容易に追随者が現れるだろう。
そこで注射器でやって見るが
アリちゃんのペインターの様には注入できない。
考えりゃ当たり前のこと。
ボールの内圧に伍して液を入れるには大きな圧力が要る。
ペインターでしか出来ない。

だったら商品になる。

色々光らせて遊んだ。面白い。流行りそうだ。

ドン・キホーテで買って来たカチカチボール
光るテニスボールにもなりそう。

真打の営業?

2//22(木)大手ディスカウントストアD社初訪問。

中洲はお客様への表敬訪問はしない。
意味がないし上手くやれる自信がない。
新製品売り込みでなら絶対に誰にも負けない自信があるが、
商品開発と同じく事前のシミュレーションが大変で
労力を要するから普通は出向かない事にしている。

ところが会社にはエンドーと言うヤワじゃない男がいて
どんな困難な営業でもモノにする代わりに
徹底的に中洲のトップの座を利用する。

今日も周到な中洲のプログラムに水をさすのはヤマテだ。
案の定ヤマテが若手に準備させたサンプルが
ミスばかりで頭を抱えた。
エンドーがお客に「今日は弊社のベストメンバーです」
思わず中洲「ドジばかりのワーストメンバーです」と修正。

しかし新製品開発には失敗が付き物。
そこがまた楽しい。
両社は「ムリ出しと挑戦」の呼吸が合っていた間柄、
とても楽しい訪問に終わった。
大閃光エイトとバンバンライトの採用が決定。

支店の朝礼で又思い付きで
「中洲士郎誕生祝い返礼パーティ」やる事にした。
世話役は例によってマメマメしい
全日本学生水上スキーチャンピオンのマオッチに。
メインは大阪支店スタッフによるルミカたこ焼きだ。
ガスは使うし匂いも気になる東京っ子達だったが一口で大絶賛。

例の40年モノの赤ワインも味わっての
30数名楽しい楽しい夕げでした。

誕生祝い

2/19(月)新製品は客が求める物はやらない。
出来上がったら「ダメ出し」の客の意見を聞く。
そのダメを解決する。
これが開発の3原則じゃないか。

サイリュームの革命児、大閃光エイトでは
まず中洲の無茶振りから始まった。
「サイリュームのチューブの液を中空にする」だ。
これはルナエイトで完成し特許になった。
大閃光エイトではチューブを三重構造にして
安全性と発光時間の延長を図った。

化学発光は生まれて40年
「アンプルを両手で折り曲げる」と言うのが常識だった。
そのアンプルは液の中でぶらぶらしていたが
大閃光では両端が固定されて
短い角度で割れるように進化している。
大閃光エイトでもその方式だった。

ところが大手ディスカウントストア D社の
nob氏がここで超難題をルミカのヤマテに投げかけた。
「親指ワンプッシュで光らせろ」
一見とんでもない要求だが
「アンプルの両端を固定するのでなく端と中央を固定し
一方の端を指で押せばアンプルが割れる」
突然ヤマテの視界がスーッと開けたのだ。
結構硬い2本のアンプルが親指1本で折れる。
中洲士郎潔く2人に兜を脱ぐ。
同時に無茶振りのお客の有難さにしみじみ感じ入った。

次にタカデ君のバンバンライトの仕様が決定した。

バンバンライトはそもそも
アリヨシの大閃光ペイントを
アミューズメント市場にデビューさせるための
中洲指令の開発案件だった。
ところが営業部隊が外からの液の注入は嫌だと抜かし
タカデとヤマテが密かに画策して
2液のパウチを内蔵させてしまった。
止むを得ん。
アリヨシ落胆の中でタカデ仕様が採用された。
これは市場で大人気になること間違い無い。
コレにも中洲脱帽だ。

光るシールもナガトシが2人のベテランパートの力を借りて
一応仕様が固まった。
ここで液をどうやって注入するかだ。
ペインターでは矢張り面白く無いとの意見。
そこで10年前のシロシタのお絵かきセットが復活した。
この感動的なシーンはいずれお話ししよう。
なかなかアリヨシの大閃光ペイントの活躍の場が出ないなあ。

中洲の誕生日にめでたく4件の新製品が出来上がった。

明日はこれら新製品を携えて
電子回路サワダ氏がオリンピック委員会にプレゼンする。
結果が楽しみだ。

矢張り開発は面白い。

ヤマテチームへお土産

2/12(月)日本は休みらしい。
ここ中国は大抵が春節の休みに入っている。

昨晩なんかも例の湖南烩面(ホイミエン)のうどん屋が
春節でハルピンに帰ってしまったので閉まっている。
仕方なくその隣のラーメン屋で独り飯。
食べても食べても麺が減らないのに勘定は5元(90円)だった。

2月16日に始まる春節の1週間前と春節1週間、都合2週間は
中国全土が機能マヒに陥る。
中国人が1年中で1番幸せでソワソワする時節だろう。

大連ルミカと言えばこの1年間本当に昼も夜も休みなく働いて
やっと今日、最後の仕事日を迎えた。
明日は皆んなで飲んで食べて騒ぐ。

だが中洲は今日の1日で新製品をモノにしなくちゃならん。
ヤマテチームが8割完成した大閃光エイトの仕上げだ。

昨夜アイデアが浮かんだ。

大閃光5分間の輝きを30分に延ばす秘策だ。
午前中試したら直ぐに出来た。
次は完全な保存性を確立することだ。これも連続技で解決した。
だが生産性を上げるには?
ここで総経理のチンユイが逆転の発想を投げる。
終業間際でWUさんが現場を動かせて50本完成。
これで大手ディスカウントストア D社に威張って提案できる。

改めてチームワークの大切さを学ぶ。


チンユイさんの手にこの輝きが3時間続く。

焦るヤマテさん

1/31(水)今日はルミカ第29期最終日だ。
まあ黒字で終わればそれでいい。

「2年間でBiRod以外に何〜にも上市出来とらん」との
中洲士郎の叱咤に大連で身を削っているのがヤマテさん。

2発目「大閃光エイト上市」を目前にしながら
大連での帰国前日の今日、
錦州の金型屋で手直しに立ち会っております。
この成型が出来ないと2月7日からの東京ギフトショーに間に合わず
中洲士郎の逆鱗に触れること明白。
夕方神様のご加護もあって
金型の2度の手修正で何とか成型が出来たようであります。
よかったなあ。

指示忘れ防止法

1/25(木)慌ただしい中国出張を終えて帰途に着く。

これも簡単じゃなかった。
朝6時、WEIFANG市の高級ホテル、
残念なことに優雅な朝飯頂けずに青島へ出発。
車中でWUさんに15項目程の開発案件を説明した。
WUさんは凄い人でね。
まあ彼を引き入れたアリちゃんがもっと凄いのかも知れんが。
アリちゃんと違ってWUさんは
中洲が思いついた事は大抵翌日には結果を持って来る。
逆に申し訳ない気持ちになるよ。

大閃光エイトの製造のカナメの溶封治具を
エンタイの知り合いが作ってくれたと見せてくれた。
WUさんはエンタイから中国出張の中洲に合流してくれたのだ。
「凄い出来だ」と褒めたら
「中洲の指示通りに作ったまでよ」と。
多分中洲の出まかせの言葉を
日本の連中と違って疑わずに実行したようだ。

札幌のアイビックのマキノさんは
複写式の「業務依頼書」なる小さなメモカードを考案して
業務依頼する時に活用している。
あれだと物忘れ名人中洲にも好都合だが
ルミカの依頼黙殺型人種には都合悪かろう。

さて青島空港から福岡に向けて飛び立った筈のMU機。
目が覚めたらブリッジを離れて滑走路に停機したままだ。
後でアリちゃんの話では、
エンジン吹かせたら片方がストーンと落ちて
オイルの臭いが充満したと。
結局降ろされて待つこと5時間。
綺麗な代替え機で良かった。
確かに前の機体は酷いオンボロだった。
あれだったら福岡まで心配で眠れないだろう。

雪の贈り物

1/22(月)今日は幸運の女神が珍奇な発見を授けてくれた。

昨晩の疲労性痴呆症から一夜明けて中洲元気に出社。
ありちゃん「皆んな見本市症候群で死んでるのに
中洲爺さんはどうしてこんなに元気なの?」
そんな嫌味モノともせず中洲、終日大言壮語。

大連に出張で福岡空港から飛び立つ予定のヤマちゃんが
「大連が雪で北京からのCA便福岡着予定が立たない。
福岡大連便は何時飛べるかわからん。どうしよう」
「戻って明日にしろ。今日は中洲とアリちゃん3人で開発会議だ」

開発会議のテーマは光るバンバンライト、光るシート、
それに光るシール何れも平面発光だ。
中洲が口すっぱく言っても
「PEシートに不織布を溶着して植毛シートを作る」
って事を理解しない。
「わしゃ何時までも生きとれんばい」中洲節で喚いていたら
ヤマちゃんゴソゴソと何やらカバンの中を探している。
この人何時も間が長いので中洲と波長が合わない。

「帰り道空港近くのドラッグストアでめっけたんだけど」と言って
机に取り出したのが医療用透明サージカルテープなる物だ。
横浜フィッシングショーでも
子供たち相手に大活躍の大閃光ペイントで
この不織布を光らせると写真の様になった。


水の中でも3時間明るく光る。
中洲発案のマジックパウダーを混ぜて塗れば2日間光るだろう。
マジックシールの完成だ。
美少女リナが光って踊り出す。
渋谷さんがオリンピック水泳センシングで突撃できる。

ヤマちゃんやってくれたね。

これで14の珍奇な発明のうち
「大閃光エイト」「大閃光ペイント」
「Bi水族館」と「大閃光シール」の目処が立った。
そして一昨日はサイリューム社との間で新たに
緊急用バックパック「サイリュームSOS」開発が追加された。

11個の課題が残る。
大物「子宮検診器」は
変人イノウエから鉄人ヒハラにシフトしたので
もう直ぐ仕上がるだろう。

横浜フィッシングショー疲れで半ば死んでいたカナエちゃん
「サイリュームSOS」直販開発に目を光らせる。

「サイリュームSOS」の何者かは追って諸君に明かそう。