養殖マグロ

何でこんな忙しい時に4人連れ立って
愛媛の宇和島に繰り出さにゃいかんのやろう。
人生のキーワードは偶然と諦めかな。

発端は11月15日のインタービー初日だ。
ルミカブースの背面から爺さんがやって来て
そりゃあ執っこくイシバシ君を口説いてね。
「水族館がどうしても要る」と。
中洲までひっ捕まって
「9DDという会社は日本一のAIの専門会社で
超秀才の集まりだ」と言う。

この塩川と言う御仁、
どうやらTV業界の大物だったらしい。
要するに人に「ノー」って言わせないのだ。

JAL7:50福岡発松山空港行きに揃った
イシバシ、ノミヤマ、オーツカと中洲の4名。
松山空港で9DD一行と合流し一路宇和島へ。

先ず水産センターで農学博士室長以下職員と協議。
中洲理解が難しい会話から掴めたのは
県の養殖業振興にAIが要るって事らしい。
そのAIを確立するには「ルミカの水族館が不可欠」
そこで我らは引っ張り出された訳だ。

9DDの社長若いが弁がたつ。
広い肩幅に分厚い胸。格闘技の猛者だな。気も短い。
相手の答弁に怒りを隠さない。
役人相手には中洲みたいに卑屈になっちゃいかんな。
だけど相手を威圧する躯体を持ち合わせていればの話だ。

ここを出て宇和島のT水産に向かった。

同じ業種でこれ程温度差を目の当たりにするのはないだろう。
彼らの目標は天然マグロ以上に美味い養殖マグロを
世界の食卓に乗せることだ。
そりゃ毎日毎日血の滲む苦労を重ねている。

9DDとの取り組みで「リアル画像が取れる水中カメラを揃えろ」
これが40億円のファンドで運営している
T水産の指令だったのだ。
そして9DDが差し出したのが我々ルミカだった。

そりゃ紳士的で友情に溢れる応対だったね。
圧巻は宇和島で最高格式の料亭天赦園での宴会だった。
彼等の造る生の伊達マグロが惜しげもなくテーブルに並ぶ。
その美味なる事筆舌に尽くしがたいとはこのこと。

このマグロを口にするまでは男たちが何を夢見ているのかサッパリ掴めなかった